しあわせについて考える

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しあわせについて考える。

国民総幸福量(国民総幸福)・・・これはブータン王国の国の政策を決めるときの指標です。

 

私たち日本は経済優先の社会であり、GNP(Gross National Product:国民総生産)、GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)という経済指標が中心に語られます。

 

ブータン王国では、発展途上ではあるけれど経済中心主義ではなく、国民の幸せを一番大切にすると言う指標、GNH(Goross National Happiness:国民総幸福量)を掲げています。

 

もちろん「しあわせ」という概念は、人や国によって違うものです。

一概にこれじゃないと、というものはありません。

ブータン王国のGNHも心の幸せだけを説いているものではなく、経済も含めた総合指標となっていることも知っておく必要があります。

 

たとえばお金やモノで幸せを追求すると、それはいつまでたっても満足すると言うことはありません。

逆に貧乏であっても、周りからは不幸だと思われていても、その人は幸せだったりすることはたくさんあります。

要は周りからどう見られるかと言う見せかけの幸せではなく、自分にとっての本当の幸せを見つけることが大切なのでしょう。

 

ここでは、様々なしあわせの考え方を紹介して行きたいと思います。

撮影:ブータン写真家 関健作氏
撮影:ブータン写真家 関健作氏

幸せになるための方法

ブータン王国で、初代の首相フェローを務められた御手洗瑞子さんの著作「ブータン、これでいいのだ」の中にあった言葉です。

それはGNHの長官の言葉でした、その言葉の意味を思うと、ブータンの方々が幸せと思うことの意味を少しだけ感じられたような気がしました。

その文章をここに記してみます。

 

「幸せになろうと思ったらね、自分の幸せを願ってはいけないんだ。自分の幸せを探し出したら、どんどん、幸せから遠ざかってしまうよ」

 

「これはとても大切なことなんだ。幸せを願うのであったら、自分の幸せではなく、周囲の人の幸せを願わなくてはいけない。家族だとか、友人だとか、自分の身近な大切な人たち。そして周りの人たちが幸せでいられるように、できるかぎりのことをするんだ。知ってるかい?人のためになにか役に立つことをして、相手が幸せになるのを見ると、自分にもとても大きな満足感が返ってくるんだよ。それは、自分のために何かしたときより、ずっと大きな満足感なんだ。幸せになりたかったら、まず、周りの人の幸せを願って、そのために何かすることが大切なんだ。自分の幸せを探し出したら、幸せは、見つからないんだよ。ブータン人は、それをみんなよくわかっている」

 

日本では幸せを願うとき、その幸せは自分だけのことが多い。

この言葉の中ですごいと感じたのは、「ブータン人は、それをみんなよくわかっている」と言う部分。

日本人でもこう考える人はいるでしょう、でもみんながとはとても思えないからだ。

もしみんながそう思えたら、日本も幸せだと感じる人がもっともっと増えるでしょう。